​2021年までの私のテーマは、「生死一如」でした。

死を見つめ、考え、きちんと準備することで生が充実するという、仏教の教えにヒントをもらっていました。

私にとって生死は永遠のテーマで、疑問で、とても興味深いものだったからです。

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しかし、2021年の8月に結婚し、2022年の3月に妊娠が分かってから、その気持ちに少し変化が訪れてきたのです。

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​生も死も、私の中で疑問だったものが、ただ愛しいものに変化している。

私はそのことに、はたと気づかされたのです。

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動物も植物も、毎日をただ懸命に生きていて、何とも愛しい。可愛い。

懸命さ。ひたむきさ。そのすべてが、素晴らしく愛しく、可愛くて仕方ない。

ふと過去絵を見てみると、少し滑稽に見えるかもしれないけれど、でも真剣な眼差しをしているキノコペンギンの姿があって。

ああ、これだ。と、そう思ったのです。

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強く描く必要はないのだ。​と、不思議と腹に落ちたものがありました。

​可愛いものを、可愛く描いていいのだと。まるで憑き物が落ちたようにすっと心におさまったのです。

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だから、2022年からの黒乃香丹は、少し違った一面をお見せすることができるでしょう。

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優しい、可愛い、でも少しシュールかもしれないし、コミカルかもしれない、動植物の表情をそのまま抜き出して描きたい。

日常の、気軽で愛しい、私の見ている世界をそのまま描きたいです。

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​新生・黒乃香丹を、よろしくお願いします。